転職は、会社への裏切り行為なのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。
会社は、あなたの望みを全て叶えてくれるわけではありません。むしろ不満の方が多いでしょう。
例えば、馬車馬のようにコキつかわれる。上司は自分勝手で言いたい放題。その上、給料が安いなど。
他にも、会社への不満は数多くあるでしょう。これらを改善する努力をしてくれているなら、まだ希望がもてます。
しかし、放置をしているなら裏切りだと感じる必要などありません。むしろ、今まで辞めずに良くやってきたと自分を褒めてください。
そこでこのページでは、転職は裏切りだと考えてなくて良い理由。そして、その対策について、私の経験をまじえながら解説します。
裏切りではないと思う理由
実は、日本では「転職=裏切り者」という風潮は、現実にまだあります。例えば、私もお世話になっていた上司に退職を告げてから冷たい態度をされたことがあります。
確かに、会社として「今まで育ててやった」という自負があるので、そう取られて仕方がない面もあると思います。しかし、転職が一般的になり、世の中の風潮も変わってきています。そこで、ヤフー知恵袋で「転職の裏切り」について検索をしてみたところ、以下のような回答が多くありました。
事例1のパターン
会社側の立場:嫌味の一つでも言ってやりかった
事例2のパターン
ポイント:裏切り者扱いは、どこでも一緒。
このように、裏切り者として扱う会社は数多く存在します。しかし、「そうではないよ」という回答も非常に多いのも事実です。
けれど、それでも納得できないようであれば、以下の理由を読んでみてください。
裏切りだと考えなくて良い5つ理由
転職は裏切りだと考えなくて良い理由には以下の5つがあります。
- お互いの利益にならない
- 後任に席をゆずることになる
- 将来の保証までしてくれない
- つき合いは辞めても続けられる
- 自分の気持ちが大切
以上です。
それでは、具体的に1つずつ解説します。
1.お互いの利益にならない
転職をしたいと考えているということは、会社に不満あるということです。そのような状態で、仕事をしていても、やる気は起きません。当然ながら、やる気がない中で良い成果を残すことはできないでしょう。本来であれば、もっと成果が残せるはずの人が能力を発揮できないのは、会社にとってもメリットがありません。
ですから、裏切りという小さな視点で考えるのではなく、会社のタメにならないと考えると良いのです。いずれにしても、お互いにとって利益にならないのなら早く見切りをつける方が良いでしょう。
2.後任に席をゆずることになる
私は市役所に14年間つとめていました。現状ほど厳しくはなかったものの、当時の採用試験の倍率も現在と同様に高い状態でした。そんなとき、私は飲み会の席で先輩に「市役所を辞めたい」と告げたのです。
と先輩に言われたのです。当時は、確かにそのとおりだなと思い辞めるのを思いとどまりました。けれど結局、私は市役所を辞めたのです。なぜなら、市役所に入りたい人に席をゆずることになるからです。
私は、この考え方が大切だと思っています。確かに、転職活動を内緒で行っていると裏切りと感じてしまうこともあります。しかし、あなたが辞めることで後任に席をゆずることになるのです。もしかしたら、イキイキと働ける人が入社してくるかもしれません。むしろ、その確率が高いでしょう。
辞めたいと思いながら続けるよりも、その方がお互いにとってメリットになります。ですから、裏切りではなくやる気がある後任に席をゆずると考えてください。
3.将来の保証までしてくれない
会社に辞めることを告げると分かりますが、組織というのは案外つめたいものです。そして、あなたがそこまで会社のことを大切に考えても、会社はあなたの将来まで保証はしてくれません。悲しいですが、それが現実なのです。
例えば、私は転職を繰り返しているので、何度も上司に会社を辞めることを告げました。中には、事情をじっくり聴いて対応をしてくれる上司もいました。しかし、上司も組織の一員です。そのことを社長に話すと「そんなやつはすぐに辞めさせろ」となるのです。また、社長には話さないと約束していた上司でさえ、次の日には告知されてしまったこともあります。ですから、上司に相談する時は、転職先が決まるまで相談はしない方が良いでしょう。
このように、会社組織は案外つめたい対応をします。ときに信頼していた上司でさえ自己保身のために冷たい態度をとる人もいるぐらいです。正直に言って、会社は将来の保証まではしてくれません。辞めると言った途端に裏切り者扱いされることもあります。
だからと言って目には目を!というような大人気ない態度をとるは非常識です。しかし、会社の都合でそのような対応をする以上、こちらも自分の都合で決めるぐらいは良いのです。
4.つき合いは辞めても続けられる
私はこのように書いていますが、裏切りではないと簡単に割り切っているわけではありません。お世話になった上司や同僚に対しては、感謝の気持ちは常にもっています。
けれど、その人たちとの、つき合いは会社だけではありません。確かに、会社にいれば毎日のように顔を合わすことができます。しかし、会社を辞めてもつき合いは続けられます。むしろ、会社でしかつき合わない相手であれば、その程度のつき合いだということです。
5.自分の気持ちが大切
自分の気持ちを優先するというと自分勝手に感じる人も多いです。しかし、私たちは偉人達のように人のことを第一に考えらえる方が少ないです。ですから、あなたの気持ちを優先することが大切です。そもそも、自分が満足できていない状態で、人にやさしくするのは難しいのです。
おそらく、偉人たちは人に与えることが喜びだったのです。そのように考えれば、偉人たちも自分の気持ちを優先したと言えなくもありません。
むしろ、やりたい仕事がしたいと転職をしても良いのではないでしょうか。
早く会社を辞めた方が良い3つの理由
裏切りと感じている場合でも、会社を無理して続けることはできます。しかし、その気持ちが大きくなるようなら、早く辞めて転職活動に専念した方が良いです。
その理由は、以下の3つです。
- 時間が無駄になるから
- 会社にいること自体が裏切り行為?
- タイミングが重要
以上です。
それでは、具体的に一つずつ解説します。
1.時間が無駄になるから
人にとって、最も大切なものは時間です。時間というと少しイメージがつきづらいので、「寿命」と置きかえると分かりやすいです。
仮に、あなたがガンになり医者から、
- あと1年しか命がもちません。悔いが残らないように好きなように生きてください
と言われたらどうでしょうか?
今の仕事を我慢して続けますか。それとも、裏切っているかもしれないとクヨクヨと考えて過ごしますか。おそらく、それらの問題はどうでもよくなってしまいます。
少し話が飛躍し過ぎていると感じるかもしれませんが、私たちの寿命はいつ尽きるか分からないのです。しかし、多くの人が、いつ尽きるかもしれない命を、いつまでも続くと思い込んでいます。けれど、そんな保証はありません。つまり、明日死んでもおかしくはないのです。
ですから、時間を無駄に使ってはいけません。お金は努力しだいで稼ぐことはできますが時間は取り戻すことはできません。そのことを忘れないでください。いずれにしても、裏切りのことを考えて時間を無駄にするのではなく、悔いのない行動を起こすことが重要です。
2.会社にいることは裏切り行為?
時間が大切なことは分かってはいても、気づくと普段の生活のコマゴマとしたことを考えてしまうのが人間です。おそらく、時間が永遠ではないと分かっていても、裏切りのことも考えてしまうでしょう。しかし、内緒で転職活動をしている限り裏切りの気持ちはなくなりません。なぜなら、あなたは正直者で周りを気づかえる優しい人だからです。
けれど、そのように考えながら会社にいること自体が、実は裏切りの気持ちを大きくしているのです。もし、その状態がイヤならできるだけ早く会社を辞めた方が良いでしょう。
3.タイミングが重要
しかし、上手くいかないことがあれば、それを糧にすることができます。つまり、失敗も成功も貴重な財産なのです。しかし、何も行動を起こさなければ後悔しか残りません。ですから、あなたのベストなタイミングを見極めましょう。
まとめ
以上が、転職は裏切りではない5つの理由です。
裏切りと感じてしまうのは、あなたが正直だからです。そして、周囲の気づかいができる人なのです。だから、決して悪いことではありません。
しかし、時間は無限ではありません。ですから、限られた時間を無駄にしないためにも、自分に正直になって決断してください。
まずは転職活動を始めてみてください。転職活動を始めてみると、今の会社の良さも分かります。そこで「転職を辞めるという決断があってもいい」のです。むしろ、それで気持ちがおさまるのなら「それでベスト」です。
しかし「どうしても転職がしたい」ということであれば、それは、あなたの正直な気持ちです。その気持ちを大切にしてください。
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