今の会社では、やりがいや充実感がない。けれど、転職をするにも、どんな仕事がしたいのかが分からない。そのような状態で不満と不安で毎日を過ごしている…。そんな人が多いです。実は、私もそのうちの1人でした。
特に中高年は、会社の中堅どころです。ですから、周囲に比べ重責のある仕事をまかされることも多いでしょう。やりたい仕事であれば、責任のある仕事ほどやりがいが出ます。しかし、やりたい仕事でなければ苦しいだけです。
けれど、辞めるに辞められないのです。なぜなら、やりたい仕事が分からないからです。
- どうすればやりたい仕事が分かるのでしょうか?
それは、あなたの思い込みにあります。その原因を理解することで最初の一歩が踏み出せます。
そこでこのページでは、あなたの心の障害となっている5つのワナを取り上げ、私の経験をまじえながら解説します。
思い込みの5つのワナ
人は、小さいときから周囲の人(特に両親)たちから、いろいろな影響を受けて育ちます。
その影響が良い場合もあれば、悪い場合もあります。そして、それらは思い込みとなって考え方の一部になってしまうのです。その思い込みが、人生に良い影響を与えていれば問題ありません。しかし、やりたいことが分かんらないというのは、悪い影響を受けています。それを、私は「思い込みの5つのワナ」と呼んでいます。
以下の5つが、思い込みのワナです。
- やる気のワナ
- 才能のワナ
- 責任のワナ
- 常識のワナ
- 生活ができないのワナ
以上です。
それでは、1つずつ具体的に解説します。
1.やる気のワナ
私たちは小さい頃から「勉強をしろ! やる気を出せ!」と言われて続けてきました。そして、社会人になってからも「仕事をしろ! もっとやる気を出せ!」と尻を叩かれます。しかし、やりたい仕事であれば無理にやる気を出す必要がありません。むしろ、やる気が必要なのは、その仕事が好きではない証拠です。これは、まさしく世の中のワナにハマっています。
例えば、メジャーリーガーの大谷翔平選手は、野球をするのにやる気を出す必要はないでしょう。「やりたいからやる!」ただそれだけです。また、あのパナソニックの生みの親である故松下幸之助氏は、
- 仕事を我慢して続けていたでしょうか?
いいえそんなことはありません。好きだからやっていたのです。
このように、本当に心の底からやりたいことをするのに、無理にやる気を出す必要はありません。そこに理由などありません。
子供から学びましょう!
小さな子供をじっくりと観察してみてください。子供は、やりたいことを見つけ出すプロです。気づいたら、やりたいことを見つけて遊んでいます。おそらく、親から「いつまで遊んでいないで勉強しなさい!」と怒られるまで、やりたいことを続けるでしょう。
しかし、親や先生から「やりたいことでは食べてはいけませんよ」と言われ続けると、やりたいことを我慢するようになります。
そして、いつしか純粋にやりたい気持ちが分からなくなってしまうのです。ですから、やりたいことが分からないのではなく、やりたいことが心の奥に埋もれているのです。それには、思い込みを解いてあげれば、自然とやりたいことに気づけます。
2.才能のワナ
多くの人が、「私には才能がない」と思い込み、チャレンジをやめてしまいます。しかし、やりたいことをするのに才能など必要ありません。才能が必要という思い込みは、周囲を気に過ぎているからです。
やりたいことをするのに、才能があろうがなかろうが遠慮なくやれば良いのです。しかし、ほとんどの人が途中でやめてしまいます。
- どうしてあきらめてしまうのでしょうか?
それは、恐れがあるからです。
- 失敗する恐れ
- バカにされる恐れ
- 継続しても成果が出ない恐れなど
これらによって、あきらめてしまうのです。
好きこそものの上手なれ!
「好きこそものの上手なれ」と言われるように、好きなことは確実に上手になります。なぜなら、無理してやる必要がないからです。まして、私たちはプロのバスケットボール選手になるわけではないのです。
ですから、転職をしてやりたいことを仕事をすれば、周りの人よりも成果が出せるはずです。なぜなら、イヤイヤやる必要がないからです。多くの人が、生活のためと仕事をイヤイヤしています。そんな中にあって、やりたい仕事をしている人が、周囲より成果が出せるのは当然のことです。
このように、好きなことをやっていれば自然に才能は開花されます。
3.責任のワナ
以前、私がつとめていた会社に「仕事を楽しんでやるなんて、ふざけるな!」という上司がいました。その上司のモットーは「仕事は我慢してやるのが当然だ」という感じでした。しかし私は「仕事は楽しみながらの方が成果が出やすい」と考えていました。ですから、その上司は、ことごとく私の仕事のやり方に反対をしてくるのです。おそらく、私の考えが気に入らなかったのです。
我慢よりも楽しむべきです!
私のチームは、その上司の考えとは裏腹に、成果を出し続けました。いつしか、会社でもトップの成果が出るようになり、私は少し有頂天になっていました。しかしある日、私のチームのメンバーが、その上司の引き抜きに合い、良い成果が出せなくなりました。それから、何度もその上司のいやがらせに合い、結局私は、その会社を辞めました。
確かに、この上司が言うように、仕事は楽しいことばかりではありません。しかし、だからこそ、楽しむ姿勢が大切だと思うのです。人にとっての責任は、我慢することではありません。むしろ、楽しい気分で仕事をやり、お客様に満足のいくサービスを提供することです。それには、我慢して仕事をするよりも、楽しみながらも真剣に取り組むことの方が重要です。
どちらの価値観が正しいのかを議論するよりも、あなたにとってどちらの方が幸せなのかを考えてください。
4.常識のワナ
世間には常識というワナがあります。実は、私もこの常識のワナによって、進学や就職を決めてきました。当時は、成績の良い学校へ入り、大きな企業に就職が決まれば「幸せが約束されている」という常識がありました。実際、母はそのような教育方針で私を育ててきたのです。しかし、
- 本当にそうなのでしょうか?
現代は、たとえ一流企業であっても不正などが発覚し、一瞬にして信用を失ってしまう時代です。あなたが一生懸命に組織の一員として努力したとしても、上司の好き嫌いによって昇進が決まってしまうこともあります。このように、たとえ一流企業だとしても必ずしも幸せになれる保証はないのです。
実際、私は市役所に14年つとめましたが、幸せではありませんでした。なぜなら、やりたい仕事ではなかったからです。その後も転職をし、上場会社でも働きましたが、やはりハッピーではありませんでした。
世間の常識がいつも正しいわけではありません。むしろ、間違っていることの方が多いです。ですから、そのワナから抜け出す必要があります。それには、自分に正直に生きることが重要です。周囲に合わせて生きるのではなく、あなたの意志で決めるのです。そうすれば、納得のいく人生が送れます。
しかし、全てのことが上手くいくことはないでしょう。けれど、少なからず、自分で決めたことなので納得ができます。ですから、今までのように世間の常識に縛られることなく、あなたの好きなことをやって生きてください。それには、もう一度、原点に立ち返り常識のワナを疑ってみる必要があります。
5.生活ができないのワナ
「やりたいことをして生活ができるほど世の中そんなに甘くはない」と言います。しかし、私は、むしろ逆だと思います。つまり「やりたいことをしないで生活ができるほど世の中そんなに甘くない」と思います。まして、これからはAI(人工知能)が、私たちの仕事をどんどん奪います。ですから、イヤイヤ仕事をやっていては、ますます仕事が奪われてしまいます。
私もこう言い切れるまでには、長い時間がかかりました。なぜなら、やりたいことをビジネスにするために3度の起業に失敗してきたからです。特に3度目の失敗のときは「自分はどこまで落ちてしまうのだろう」という絶望感を味わいました。
好きなことを仕事にするのは、愛する人に告白するのに似ています。なぜなら、ふられてしまうと絶望してしまうからです。しかし、告白しなければ、愛する人とつき合うことはできません。それと同様に、絶望感を恐れていては、好きな仕事はできないのです。それには、この仕事がしたいという情熱が必要です。
確かに、やりたいことをして生活ができるのかという不安はあるでしょう。しかし、それを乗り越えない限り心からやりたい仕事はできないのです。
まとめ
以上が、やりたいことが分からない人がハマっている5つのワナです。
やりたいことが分からない人の多くは、この5つのワナにはまっています。しかし、恐れる必要はありません。今までが間違っていたなら、これからはそれを改善していけば良いのです。
しかし、人は習慣の生き物です。その習慣は長い間によって身についたものです。ですから、それほど簡単には変わりません。
それには、少しずつ時間をかけて改善してください。まずは、この5つが、あなたにハマっていないかを確認してください。そして、1つでもワナにハマっているなら、できるだけ早く解決しましょう。
天職に生きる5つのステップ