転職に逃げると失敗する。だから、逃げの転職は避けた方がいいと言われています。
実際のところ、
- 転職に逃げると失敗するのでしょうか?
結論を言うと、一概にそうとは言えません。なぜなら、会社を辞める理由は前向きなことばかりではないからです。
例えば、嫌いな上司がいる。給料が安い。社風が合わない。ノルマがきついなど。これらは総じてネガティブな理由です。そして、根底にあるのは会社に対する不満です。ですから、これらの理由で転職をすることは、すべて逃げの転職と言えます。
しかし、これらの転職理由でも、不満を解決するための転職であれば逃げの転職とは言えません。一方で、逃げの転職が上手くいかないケースがあるのも事実です。それは、問題の本質を理解せずに転職をしてしまうからです。
そこでこのページでは、逃げの転職が上手くいかない理由と対策について、私の経験をまじえながら解説します
問題の本質を理解するとは?
逃げの転職で失敗するのは、転職をすれば全てが上手くいくと考えているからです。しかし、当然ながら転職をしたからと言って、解決されない問題もあります。
問題の本質を理解することが重要!
例えば、私の場合、離婚して出ていった父親との関係が問題となっていたことがありました。父親は、傲慢でガミガミとうるさく、常に自分が正しいといったプライドの高い人でした。
父親と私は昔から折り合いが悪く、まともに口を聞いたことがありません。その父親との関係が後々、私の転職にも影響しているとは考えもしませんでした。なぜなら、父親のような上司がいると反発してしまうからです。
けれど、どの会社にも傲慢な上司は1人や2人はいるものです。まして上司ともなれば、関わらないわけにはいきません。しかし、どうしても苦手な上司に合わせられず転職に逃げていたのです。
このように、問題の本質を理解せずに転職をしてしまうと、転職を繰り返すことになります。そこで、次に実際の転職理由には、どんなものがあるのかを紹介します。
転職理由ランキング
以下のランキングはDODAさんが3万5000人を対象に行った調査結果です。
【転職理由ランキング(総合)1位~10位】
順位 | 転職理由 |
1位 | ほかにやりたい仕事がある |
2位 | 会社の将来性に不安 |
3位 | 給与に不満がある |
4位 | 残業が多い/休日が少ない |
5位 | 専門知識・技術を習得したい |
6位 | U・Iターンしたい |
7位 | 幅広い経験・知識を積みたい |
8位 | 雇用形態を変えたい |
9位 | 市場価値を上げたい |
10位 | 土日祝日に休みたい |
DODAが行った調査より引用 :https://doda.jp/guide/reason/
この表からも分かるように、転職理由の多くが今の会社に対する不満が根底にあります。ですから、不満を解決するための転職であれば、全てが逃げの転職とは言えません。
では、次にあなたの転職理由の本質に気づくワークを行っていきましょう。
問題の本質に気づくワーク
私が転職を逃げの手段に使っていたように、もしかしたら、あなたも同じように逃げの手段にしていることも考えらえます。ですので、もう一度、転職が最善の方法かをチェックしてください。
まずは、客観的な判断をするために、紙に書き出します。紙に書き出すのは、問題を自分の外に出すためです。人は嫌な出来事があったり、思い込みがあると、全てのことが嫌になったりする場合があります。
例えば、私のように上司との相性が悪いと、そのことばかりが気にかかり、今の会社の良さが見えなくなってしまうのです。そのような状態では常にストレスがかかっている状態なので、冷静な判断が下せなくなっています。
紙に書き出しみましょう!
ですから、冷静な判断を下すため紙に書き出してみましょう。もし、どうしても本当に辞めたいという気持ちが強く、冷静になれない時は3日ぐらい休暇をとってください。そして静かな場所へ行き、辞めたい理由を書き出してみると良いです。
例として、
- 通勤時間が長い
- 将来性がない
- 給料が安い
- 残業時間が長い
- 残業が満額でない
- 派閥が争いが面倒
- 仕事そのものが嫌い
- やりたい仕事ではない
- 今の仕事では喜びがない
- 職場の雰囲気が悪いなど
最初は、どんな些細な理由でもかまいません。どんどん紙に書き出してみましょう。そして、問題の本質が何なのかを見極めてください。
転職理由の中身をチェック!
次にやることは転職理由の中身のチェックです。下の図を参考にしながら、理由のチェックを1つ1つ行ってください。チェックするポイントとして、4つの項目があります。
- どこの会社でも起こることか?
- 自分自身で解決すための努力をしたか?
- 自分を過大評価していないか?
- 自分を過小評価していないか?
「最新版 転職パーフェクトガイド」より引用 新星出版社
それでは、1つずつ具体的に解説します。
1.どの会社でも起こることか
私と同じように人間関係が転職理由の場合、どこの会社でも起こる可能性があります。実際に私は人間関係が嫌で転職を繰り返しました。ですから、あなたの転職理由も、どの会社でも起こる可能性があるのなら、今の会社で解決できないかを考えてみましょう。
2.解決する努力を行ったか
改善するための努力をしたかのチェックをする必要もあります。人は何か1つ問題があると、そのことが気になり他の良い所が目に写らなくなってしまいます。ですから、改善をしながら、常に今の会社の良いところにも意識を向けてください。そうすれば、ストレスが多少やわらぎ改善に力が入りやすくなります。
3.自分を過大評価していないか
私も勘違いをしていたことがありますが、今の会社の信用はあなたの信用ではないことを忘れないでください。特に大手に勤めていると、その会社のネームバリューを自分の実力と勘違いしてしまう人がいます。しかし、その会社の看板をはずした途端、誰からも相手にされなくなったということは、よくある話です。
つまり現在の実力は、あなた自身の力なのか、それとも会社を通しての力なのかを見極めることが大切です。
4.自分を過小評価していないか
過大評価とは逆に、自分のことを過小評価している場合もあります。本来は、実力があるのに自分はたいした人間ではないと思い込んでいます。
例えば、会社のノルマを達成できていないからといって、必ずしも無能とはいえません。なぜなら、自分の適性にあった仕事につけば成果が出るかもしれないからです。
私は長い間、事務職でやってきましたが、事務仕事はどうしても他の専門職に比べ過小評価されます。しかし、実績やスキルを過小評価すべきではありません。要は役割の違いだけなのです。
ですから、自分を過小評価せず真の実力を見極めていきましょう。
この4つの項目を参考にしながら、問題の本質を探してください。もしかしたら、今の会社でも解決できる場合もあります。しかし、どうしても、解決できないようなら転職を検討すれば良いでしょう。
まとめ
逃げの転職が上手くいかないのは、問題の本質が理解できていないからです。
私のように、父親の問題が根底にあると、転職をしても上手くいきません。なぜなら、転職先でも同じ問題があるからです。そのために、問題の本質に気づくためのワークを紹介しました。しかし、実際のところ1人で発見するのは難しいです。
ですから、どうしても難しいようなら気軽にメールをして下さい。
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