会社を辞める決意をしたものの、退職の意思をどのように伝えて良いか分からない。
どんなタイミングで、誰に伝えれば良いのだろう…。
退職は、やり方を間違えてしまうと円満退社ができず、トラブルに発展してまうことがあります。
私は20回以上の転職を経験していますが、転職をスムーズに行うには円満退社が重要だと考えています。なぜなら、今後も何かの縁でつながる可能性があるからです。
そこでこのページでは、上司に退職を伝えるときの5つのポイントについて、私の経験をまじえながら解説します。
退職を伝える5つのポイント
- 退職の時期
- 伝え方
- 引き止められた場合
- 受諾された場合
- 円満退社を心がける
以上です。
それでは、1つずつ具体的に解説します。
1.退職の時期
退職を告げるタイミングは、基本的にあなたの都合でかまいません。退職までの期間は、引継ぎにもよりますが1~3ヵ月程度です(就業規則に定められている場合があるので必ず確認してください。)
退職の時期は、繁忙期は迷惑がかかってしまうので避けてください。比較的多いのがボーナスをもらってからの年末12月、年度末の3月末がベストです。ただし、転職先の都合もありますから、よく相談してから決めるのが良いでしょう。
2.伝え方
伝え方は、非常に重要です。伝える相手は直属の上司に相談をしてください。相談するときは、
- 相談があるのですが、少しお時間を頂いてもよろしいでしょうか?
と告げ、周りに聞こえないように個室で話し合いましょう。退職の意思を告げる前に「大変お世話になりました」と告げてください。なぜなら、相手に誠意や感謝の言葉を伝えることで、相手の受け入れる準備が整うからです。
退職を告げると必ず聞かれるのが理由です。理由は、会社の不満などは避けるのが良いでしょう。なぜなら「不満を解決する努力をするから会社に残ってほしい」と言われたら口実がむずかしくなってしまうからです。ですから、「個人的な理由です」と答えるようにしてください。
3.引き止められた場合
退職の相談をすると、引き止められる場合があります。辞めようと決意していても、実際に引き止められると悪い気はしません。なぜなら、自分の存在価値が認められたような気がするからです。つまり、自分が会社に必要とされていたことが分かるため、気持ちがぐらついてしまうのです。
私も何度もこの経験をしました。例えば、
- 給与を上げるから考えなおしてほしい
- 他の人に仕事をまかせて残業をせずに帰宅してもかまわない
- 相性の合わない上司から配置転換をする
実際、私はこのような不満に配慮してもらうことで、退職を引き延ばしことがあります。しかし、これらは表面上の解決に過ぎません。退職を決意するということは、実はもっと根が深いところに問題があるのです。ですから、一時的な対処に過ぎず上手くいかないことが多いので気をつけましょう。
4.受諾された場合
引き止められる場合とは逆に、あっさりと受諾される場合があります。これは正直かなりショックです。しかし、気持ちを切り変えてください。上司によっては、どうせ引き止めても意思は固いと感じているのかもしれません。また、気にかけていたのに裏切られたと感じ、そっけない態度をとる場合もあります。
いずれにしても、上司の気持ちをコントロールすることはできません。ですから、受け入れるしかないでしょう。
例えば、私はあっさり受諾されたことがありました。正直、私は状況を甘く考えていました。なぜなら、私の売上げの成績が常に上位だったからです。ですから、心のどこかに「辞めないでほしい」と言われると予想していました。しかし、実際いわれたのは最短の退職期間でした。
しかし、受託されたからと言って全否定されたことではありません。ですから、過去にこだわるよりも、未来に目を向けるようにしてください。
5.円満退社を心がける
会社を辞めるうえで大切なのは円満退社です。そして、円満退社をするには、いくつか心がけることがあります。以下にあげるのが私が行ってきた心構えです。
円満退社をする5つの心構え
- 退社の日は菓子折りなどを持参する
- 退職までは全力で仕事に取り組む
- 引継ぎをしっかりと行う
- 置き土産をする
- 感謝の気持ちを伝える
どんなにキライな会社だったとしても、今までお世話なったのですから、辞めるまでは礼を尽くすように心がけましょう。そこで、円満退社をするための具体的な方法を紹介します。
1.退社の日は菓子折りなどを持参する
例えば、退職の日は菓子折りなどを持参することで、その日だけでも円満に過ごすことができるでしょう。特に女性はスィーツなどを持参すると喜びます。そして、相性の合わない上司でも、菓子折りを持参すれば悪い気はしないはずです。特に退職の日は、引継ぎが終わり仕事もやることがないため場の雰囲気が沈みがちです。
そんなときは、休憩や終業時間前に菓子折りを配るようにしてください。配るときは「お世話なりました」と、ひとこと声をかけるだけで印象が良くなります。
2.退職までは全力で仕事に取り組む
会社を辞めるからと言って、いい加減な気持ちで仕事に取り組むのは良くありません。偉そうに言っている私も、何度かいい加減な気持ちで取り組んだことがあります。しかし、そのような会社とは全く連絡をとっていません。会社だけではなく、人とのつながりもなくなっています。
せっかく何かの縁でつながった会社です。しかし、円満退社をせずに辞めてしまうと、その後の縁も途切れてしまいます。しかし、円満に退社すれば再びお世話になる機会もあります。
そのためには、辞めるまでは全力で仕事に取り組むことが重要です。その方が、自分の実績や能力アップにもつながります。「終わりよければすべて良し」と言われるように、退職まで全力で取り組めば、あなたの印象も良いイメージのままでいられます。
3.引継ぎをしっかり行う
引継ぎは、あなたの後継者に仕事をまかせる準備をすることです。人には、自分を良くみせたいという気持ちがあります。ですから、すべてを引継いでしまうと、自分の価値が下がってしまうように感じるものです。
分かりやすくいえば、人には自分の存在の大きさにきづいてほしい気持ちがあるのです。つまり、自分がいなくなれば「これだけ仕事が大変になるんだぞ!」と分かってほしいのです。
この気持ちがあると、しっかりと引継ぎをしません。しかし、これは逆効果です。なぜなら、引継ぎがしっかりできない人は評価も低いからです。
しかし、しっかりと引継ぎを行ったとしても、あなたの価値が下がることはありません。むしろ、逆に上がります。なぜなら、1ヵ月や2ヵ月の短期間に引継ぎをしても、その後の仕事がスムーズにいくことは少ないからです。それだけ仕事は慣れるまでに時間がかかるということです。
そして、引き継いだ人が、
- これは教えてもらってなかった
- これは引き継いでいません
となったら、むしろあなたの問題にされてしまうでしょう。ですから、円満に退社するためには引継ぎをしっかり行うことが重要です。
4.置き土産をする
置き土産とは、あなたの存在価値を証明するものと考えてください。簡単にいえば、あなたの実績が評価される仕組みをつくることです。
この置き土産をすることで、あなたの評価が上がり、辞めた後で再び声がかかることがあります。
5.感謝の気持ちを伝える
感謝の気持ちを伝えると、人は素直になれます。その結果、物事が上手くいくようになります。逆に、感謝の気持ちを忘れてしまうといずれ失敗をします。これは、精神論のように感じるかもしれませんが、実際に私が経験をしてきて感じることです。
まとめ
以上が、上司に退職を伝えるときの5つのポイントです。
会社を辞めるときは、この5つのポイントを心がけてください。そうすれば、トラブルなく円満退社ができます。
私は20回以上の転職経験から、円満退社の重要性をしみじみ感じています。それには感謝の気持ちが大切です。その感謝の気持ちさえ忘れなければ、上司に退職を告げるときも上手くいきます。
伝えるときはテクニックなどに頼らずに感謝の気持ちを伝えましょう。
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