面接のとき、必ずと言っていいほど聞かれるのが「転職理由」です。本音は、上司の仕事の仕方が気にいらなかった。給与が低かった。人間関係が上手くいかなった。などと言いたいところでしょうが、それをそのまま伝えてしまうと上手くはいきません。
なぜなら、面接官に否定的な印象を与えてしまうからです。ですから、ネガティブなままではなくポジティブな形に変えて伝えることが重要です。
そこでこのページでは、ネガティブな退職理由をポジティブな転職理由に変える方法について、私の経験をまじえながら解説します。
退職理由と転職理由の違い
そもそも、あなたは退職理由と転職理由の違いについて理解しているでしょうか。まずは、この違いについて理解する必要があります。なぜなら、面接官は転職理由が知りたいからです。その違いは以下の表のとおりです。
面接官は、退職理由が会社に不満があるなどのネガティブな要素が多いことは分かっています。ですから、それを知りたいのではありません、知りたいのは転職理由です。転職理由は、今後の展望にもつながっていくためポジティブな形で伝えることが重要です。
退職理由 | 転職理由 |
---|---|
過去のことを話す | 未来のことを話す |
会社を辞めた理由を述べる | 今後の展望や仕事に対する姿勢を述べる |
必ずしも質問されるとは限らない | 必ず質問をされる |
ネガティブな要素が多い | ポジティブに伝えることが重要 |
では、実際に退職理由が会社への不満だった場合に、どのような形でポジティブに変えられるのでしょうか。次に、その具体的な変え方を説明します。
ネガティブな4つの退職理由
退職をする理由として、以下のような4つが主なものにあげられます。
- 人間関係が上手くいかなかった
- 仕事内容に不満があった
- 上司の仕事のやり方が合わなかった
- 給与が低かった
以上です。
確かに、この4つの退職理由は本音です。しかし、面接では本音と建前をうまく使い分ける必要があります。
そもそも面接官は、どうして退職理由を聞くのでしょうか?
それを理解しなければ、適切な回答をすることができません。つまり、面接官の質問の意図を理解する必要があるのです。
退職理由を質問する意図とは?
面接官が退職理由を知りたいのは、同じ理由で会社を辞められては困るからです。つまり、退職理由をしっかりと聞くことで、同じことを繰り返さないかを見極めているのです。
ですから、ネガティブな理由のまま答えてしまうと、面接に通りづらくなると考えてください。そのようなときは、ネガティブな内容をポジティブに変えることで、印象がガラッと良くります。
それでは、4つのネガティブな退職理由をポジティブにする具体例を1つずつ説明します。
1.人間関係が上手くいかなかった
人間関係が上手くいかないことは、退職理由の上位に上げられます。これを転職理由としてポジティブに変えるには、
- 人間関係を大切にしたいとを伝えれば良いのです!
ポジティブな内容に変える
例えば、「今の会社は仕事中での私語が厳禁だったため、全体の人間関係がギクシャクしていました。そこで、私はその状況を改善するため、積極的に周囲とコミュニケーションをとるようにしました。しかし、それが上司に私語ととられ注意を受けてしまいました。
確かに、私も業務に支障をきたすような会話はつつしむべきだとは思います。しかし、職場内での円滑なコミュニケーションは重要だと考えたのです。しかし、それが理解してもらえず上司とギクシャクした関係になってしまいました。その後、上司からの、嫌がらせが始まり転職を決意しました。
ですから、今後はこの教訓を生かし、私語ととられないように上司とのコミュニケーションをはかっていきたいと思います。
という内容に変えることで、面接官にはポジティブな印象を与えることができます。
2.仕事内容に不満があった
仕事内容に不満があったと、面接官に直接伝えてしまえば悪い印象を与えてしまいます。なぜなら、この人は会社の指示に従えない人と取られてしまうからです。
全ての人が、仕事の内容に満足することはできません。逆にやりたくない仕事を引き受けなければいけないことの方が多いです。しかし、これをストレートに伝えてしまうと、自分勝手な人間として受け取られてしまいます。
これをポジティブに変えるには、
- 仕事に積極的に関わっていきたい!
と伝えれば良いでしょう。
ポジティブな内容に変える
例えば、今の仕事が同じようなことを繰り返すルーティンワークで、それが不満だとします。そのようなときは、現在の仕事内容を否定せずに、もう少し大きな仕事に関わっていきたいとアピールするのです。
ですから、御社では協調性を大切にしつつ、大きな仕事もまかせられるように努力をしていきたい思います。
という内容に変えることで、面接官には仕事内容の不満ではなく、積極性を印象づけることができます。
3.上司の仕事のやり方が合わなかった
この気持ち非常に良く分かります。私もこの理由で何度も会社を辞めることになりました。しかし、このまま伝えるのは、やはり面接官にはネガティブな印象を与えてしまいます。
会社としては、上司のやり方の否定は会社のやり方の否定と受け取ってしまいます。ですから、面接官としても、うちの会社でも上司のやり方と合わなければ、また同じように会社を辞めてしまうのではないかと考えてしまいます。
これをポジティブに変えるには、進取の気性に富む人ということをアピールすれば良いです。進取の気性に富む人とは、自ら進んで新しい仕事に取り組んでいこうとする人のことを言います。
つまり、上司のやり方を否定するのではなく、自ら進んで新しいやり方にチャレンジしていきたいとアピールするのです。
ポジティブな内容に変える
私の場合は、チーム制にこだわりがありました。なぜなら、人にはそれぞれ長所・短所があるからです。その長所を伸ばし、短所をチーム内でカバーすることで、全体の業績を伸ばせる自信があったのです。
しかし、上司はチーム制を認めてはくれませんでした。あくまでも個人の成績にこだわりがあったのです。
前の会社では、一人一人にノルマを与えていたため、周囲との協力よりも個人の成績を気にしていました。
例えば、その人にとっては有益な情報ではなくても、会社にとっては有益な情報があります。しかし、その情報を周囲に与えてしまうと、周囲の成績があがり、結果として自分の評価が下げってしまいます。
それを避けるために、周囲には情報を与えず内緒にしてしまうのです。私は、その問題点を上司に伝えましたが、個人制は会社の方針ということで、受け入れてはもらえませんでした。
チーム制や個人制の問題ではなく、どうすれば全体の業績が上がるのかを真剣に話し合いができる会社にいきたいと考え、転職を決意しました。
というように、内容を上手く表現することで、面接官に進取の気性に富む印象を与えることができます。
4.給与が低かった
給与が低いのというのも退職理由では、上位にあげられます。確かに、どんなに仕事を頑張っても給与が低いままであれば、他の会社に転職をしたくなる気持ちは分かります。しかし、給与が低いという理由で会社を辞めてしまうと、転職先で給与が上がったとしても、また不満が出てくることを、面接官は見抜いています。
だから、この理由を面接で言えば、おそらく採用は難しいでしょう。
これをポジティブに変えるには、しっかりとした評価制度で仕事がしたいことを伝えれば良いのです。
ポジティブな内容に変える
多くの人の給与の不満は、しっかりと評価されてないというのが根底にあります。
例えば、
- アイツは大した仕事をしていないのに自分より給与が高い
- あの人は、売上が上がりやすいエリアの担当だから評価を得ている
- 他の人よりも自分の方が、仕事が早いのに評価されていない
といった不満があるとします。しかし、これらの根底にあるのは、給与が低いというよりも、しっかりと評価がされていないことがあります。ですから、この状況を上手く面接で伝えれば良いのです。
伝え方としては、
私は事務職でしたので、営業と違い成果が数字で評価されない職種でした。そこで、しっかりと数字に表れるように業務の改善を行ないました。
例えば、営業事務が受注をする時の、お客様対応マニュアルを作成し、クレームを前年よりも20%減らすことに成功しました。他にも業務効率が良くなるように企画書の作成なども行ってきました。
しかし、評価制度が変わることはありませんでした。そこで、しっかりした評価システムのある御社に応募したいと考え、転職を決意しました。
というように、内容を上手く表現すれば面接官の印象は確実に上がります。
まとめ
以上が、ネガティブな退職理由をポジティブな転職理由に変える4つの具体例です。
ネガティブな退職理由で、会社を辞めたいと思う人は多いです。しかし、そのままの理由で、面接官に話してしまうと、どうしても印象が悪くなってしまいます。
そこで、4つの具体例のように、ポジティブに言い変えることで、ガラッと印象が良くなります。
この具体例を参考して、面接官に好印象を与えてください。それには、否定的な言葉ではなく前向きな発言を心がけてください。
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