インターネットや電車の乗降口付近に目につく広告に、転職フェアの開催のお知らせがあります。
転職を考えている人であれば、何度かは見たことがあるのではないでしょうか?
中高年の人にとっては、興味はあっても転職フェアに参加することに戸惑いがあるものです。また、転職フェア自体が良く分からないこともあるでしょう。
そこでこのページでは、転職フェアの7つのメリットと3つのデメリットについて、私の経験をまじえながら解説します。
転職フェアとは?
転職フェアとは、転職を支援する企業が開催する合同説明会です。規模は数十社から数百社とさまざまです。出展企業が会場内にブースを設け、来場者と直接面談ができるスタイルをとる方法が一般的です。
参加する条件
参加する条件は、特にありません。転職に興味があれば誰でも参加できます。転職フェアは、主催者のピーアールのために行われているため無料です。参加するには、エントリーリーシートにプロフィールや職歴を書くだけで入場ができます。その場で記入するのが面倒であれば、事前にウェブ上で登録しておくと入場がスムーズになります。
参加するにあたって、転職フェアのメリット・デメリットを書いておきますので参考にしてください。
転職フェアの7つメリット
転職フェアに参加すると以下の7つのメリットがあります。
- 一度に多くの求人企業と面談ができる
- サイトでは得られない情報が聞ける
- スカウトメールが活用できる
- 個別にCA(キャリアコンサルタント)の相談が可能
- 面接よりも緊張が少なく話せる
- 他の参加者の質問を聞くことできる
- 職場の雰囲気や社風が感じられる
以上です。
それでは、1つずつ具体的に解説します。
1.一度に多くの企業と面談ができる
転職フェアは、さまざまな規模で開催されていますが、都内で開催されるものでは数百社が出展していることもあります。これだけ多くの企業の情報を一度に知る機会は、転職フェア以外にはないでしょう。多くの情報を集めてから転職先をしぼりたい人は活用することをオススメします。
2.サイトでは得られない情報が聞ける
サイト上では、企業者側が伝えたい情報しか掲載されていません。ですから、こちらの知りたい情報が掲載されているとは限りません。しかし、転職フェアに参加をすれば、知りたり情報を直接担当者から聞くことができます。
3.スカウトメールが活用できる
転職フェアには、スカウト登録コーナーというものが設置されていることが多いです。このスカウトメールに事前登録しておくと、あなたに興味をもった企業から面談メールが届く仕組みになっています。この仕組みを利用すれば、数多くの企業の中からあなたに合った企業を探す手間が省けます。
また、あまり関心のなかった企業からスカウトがされることがあります。そのときは、たとえ興味がわかない企業でも受けてみるのが良いです。なぜなら、選択肢が広がるからです。
4.個別にCAの相談が可能
転職フェアには、多くの場合CA(キャリコンサルタント)が相談コーナー在籍しています。CAは、求人企業から報酬をもらっているので、相談者は無料で受けられます。
通常CAを利用するには、人材紹介会社に登録し日程を決めてからの面談になります。しかし、転職フェアであれば直接受けることができます。転職に関する疑問や不明な点などあれば、その場で回答がもらえるので利用するメリットは大きいです。
CAは一般的に、転職エージェントと呼ばれています。私は、転職フェアよりも転職エージェントを利用することをオススメします。なぜなら、専門の担当者が個別に対応してくれるからです。詳しくは「転職エージェントって何?」をご覧ください。
5.面接よりも緊張が少なく話せる
求人企業の担当者と話せるのは、面接が主な機会になりますが、面接の場合は緊張感がともないます。しかし、転職フェアであれば、出展企業の担当者と気軽な雰囲気で話せます。まだ、本格的な採用を意識していないため、面接では聞けないことを質問することもできるでしょう。
しかし、気軽に話せるからといって、ため口のような態度はやめてください。なぜなら、応募するかもしれないからです。いずれにしても、あなたが応募する企業の情報を集めているように、出展企業の担当者も参加しているあなたの情報を集めているのです。
6.参加者の質問を聞くことができる
ブースのつくりにもよりますが、オープンな形式であえれば、他の参加者の質疑応答が聞けます。通常、グループ面接のような場合を除き、他の参加者のやりとりを聞くことはできません。もし他の人の面談が聞けるようなら参考にしましょう。
また、こちらから質問ができる機会は、面接などの限られた時間だけです。また、その質問内容も内定というものを意識したものになってしまいます。しかし、転職フェアはまだ説明会ということもあり、それほど意識せずに質問ができます。
転職フェアに参加する前に、聞きたい質問を紙に書き出しておくと良いでしょう。その中で、他の人が質問した以外のことを聞くようにすれば、多くの情報を集めることができます。
7.職場の雰囲気や社風が感じられる
転職フェアには、採用担当者だけではなく配属先の担当者がブースに訪れるケースがあります。実際に入社後に一緒に働く人と話せる機会は、めったにありません。これが、転職フェアの最大のメリットです。
例えば、私は会社を選ぶとき、会社の社風を非常に重要視するようにしています。なぜなら、会社との相性は社風によって決まるからです。社風とは分かりやすくいえば会社の雰囲気のようなものです。
社風は社長や上司の考え方が色濃く反映されます。例えば、人間関係よりも売上げしか考えない上司であれば、職場内のコミュニケーションがなく、ノルマを優先する雰囲気で仕事をすることになります。逆に、チーワークワークを大切にする上司であれば、協力をおしまずに対応してくれるでしょう。
このように社風を入社前に少しでも感じられるのは、会社を選ぶときの貴重な情報源になります。以上が7つのメリットです。次に、3つがデメリットを説明します。
転職フェアの3つデメリット
転職フェアに参加するデメリットには以下の3つがあります。
- 参加者の多さに尻込みしてしまう
- 期待したほど情報が得られない
- イメージのバイアスがかかる
以上です。
それでは、1つずつ具体的に解説します。
1.参加者の多さに尻込みしてしまう
転職フェアで感じるのは、参加者がとても多いことです。世の中には、こんなにも転職希望者が多いことに驚いてしまうのです。ハローワークでも感じることですが、私が転職を始めた10年以上前に比べ、失業中の人や転職の希望者が確実に多くなっています。ですので、自分に自信がない人にとっては、参加者の多さに尻込みをしてしまうこともあるでしょう。
しかし、それほど気にする必要はありません。昨今は、とても人出不足が続いています。また、転職フェアを各地で開催していること自体が人手不足を反映している証拠です。
つまり、転職フェアの参加者が多いということは、転職市場に活気があるということです。ですから、心配するのではなく、希望する企業の情報を集めることに集中してください。
2.期待したほど情報が得られない
転職フェアは参加者が多いため、個別にさける時間が限られています。そして、待っている面談者のプレッシャーもあるため、ゆっくりと話せる雰囲気ではありません。
ですから、限られた時間の中での質疑応答になります。また、たくさんの出展企業を回りたい場合は、それほど1社にかける時間もないでしょう。その結果、期待したほど情報が得られないということになります。
それには、事前に質問を用意しておくのが良いです。質問内容は、しっかりと優先順位を決めてください。最初の質問は、当然ながら、どうしても聞きたいことになります。
例えば、私の場合は「転職フェア用のノート」をつくりました。以下のような質問事項です。参考にしてください。
転職フェアノートとは?
1.□□株式会社
2.質問内容(例)
- 採用されるとしたら、どのような仕事内容になりますか?
- 御社の職場は、どのような雰囲気でやられていますか?
- 採用するにあたって、どのようなことを期待していますか?
など。
3.担当者の印象(社風など)
4.印象度 〇 △ ×を記入
5.備考欄
という内容で記載していました。コツとしては、あまり細かく書き過ぎないということです。なぜなら、転職フェアは、出展企業のイメージをつかむぐらいが良いからです。そもそも、転職イベントで企業の詳細をつかむのは難しいです。どうしても知りたいときは、転職エージェントに相談してください。
転職エージェントとは、メリットのところで説明したCA(キャリアコンサルタント)のことです。転職フェアのように公開情報だけではなく、非公開の優良な求人案件を多くかかえているのが特徴です。
3.イメージのバイアスがかかる
転職フェアに参加している出展企業は、自社のピーアールに長けています。ですから、どの企業も魅力的にうつります。これはバイアスといって、情報にかたよりが生じている状態です。
例えば、出展企業は自分の会社の良い点しかピーアールしません。なぜなら、イメージを良くして優秀な人材を確保したいからです。言葉は悪いですが、口八丁手八丁で参加者を自分の会社に誘導するのです。しかし、当然ながら、どの企業にも良い点、悪い点があります。
しかし、情報が良い点にかたよっているため、入社してみると「こんなはずじゃなかった」となってしまうのです。そうならないためには、興味がある企業のブースに訪れ、担当者や会社の雰囲気をつかむようにしてください。
そして、社交辞令の質問ではなく、あなたが本当に知りたい情報を集めるのです。出展企業のイメージに踊らされることなく、しっかりと応募する企業を見極めましょう。
まとめ
以上が、転職フェアに参加する7つのメリットと3つデメリットです。
転職フェアのメリットは、一度に数多くの企業を見られることです。また、面接と違い緊張せずに質問できます。また、企業の雰囲気を直接感じられる貴重な機会になります。
その反面、多くの人が参加しているため、ゆっくりと話が聞けないデメリットもあります。
個人的には、転職フェアで求人を探すよりも転職エージェントをおすすめします。なぜなら、あなたの職種に合った専門の担当者が相談にのってくれるからです。
いずれにもしても、転職フェアに一度は参加して雰囲気を味わうのが良いでしょう。
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